【ステートメント】小さな組織でも働き方の多様さを実現する(中小企業ワークスタイル研究会アップデートへの想い)

個々人の働き方の選択肢を創ることと、
組織の働き方の選択肢を創ることは、繋がっている。
 


「働き方を変えられるのは大企業だから」

「ダイバーシティ?中小企業には響かないです」

「ライフイベントと仕事の両立!理想ですが現実は一部の企業だけでしょう」

 

2013年、NPO法人ArrowArrowが事務局として「中小企業ワークスタイル研究会」を立ち上げた当時は、まだ先のようなムードがありました。ブラック企業問題、長時間労働是正など働き方改革などの波が少しずつ見え始め、個人が自身の暮らしを潰さないようにしたい、大切にしたいという想いのふくらみはどんどん高まってきていることを感じていました。

 

―――ライフイベントと「働く」を並走させたい。


その希望を声として表に出して、実際にその道を創り、働き方の選択肢を自らつくっている個人がいることや、そのような個人を受け入れて、働き方の選択肢を活かしたい、拡げたい、そう思い模索している組織があることを、ArrowArrowを通して、実際に出会い、理解していました。

 

組織の大小に限らず、

個人のライフイベントと「働く」における選択肢を拡げ、

それによって組織の働き方の選択肢を拡げている。

 

働く場所で多様な働き方を求める個人をひとりでも増やしたいと思いましたし、一社でもその状況が叶えられ、個人と組織が手を結びあってほしい、そんな想いからこの中小企業ワークスタイル研究会は立ち上がりました。

 

 

 

個人の意識、組織の状況、社会の変化を受けて、
見える景色が変わってきた。

 

これまでの研究会の場に触れた述べ100名以上の方々は、「働く」において課題をもち、その解決におけるヒントやプロセスを知り、それぞれの想いの確立や行動変容に起因してきました。


「この研究会が1つのきっかけとなって、会社で初めて育休がとれたんですよね」ある組織で働く男性管理職が伝えてくれた言葉は、まさに個人の働き方の選択肢が拡がることにより、組織の働き方の選択肢が拡がったことを教えてくれました。

 

スタートから10年が経ち、「働き方」の文脈はさまざまな動きによって拡がりが見えてきました。ワークライフバランスという言葉の浸透やそれを理由に会社を退職し、より働きやすい会社へ転職をする人がいることは、誰もが実感していることでしょう。


働き方改革法や女性活躍推進法の施行によって、組織の働き方の実態を調べたり、長時間労働の是正が起こったり、ライフイベントによって辞めざるをえなかった女性が働き続けられたり、組織の固定的だった働き方に変化が生み出されてきました。

また、育児休業法・介護休業法・障害者雇用促進法の改定などによって、多様な人が組織で働き続けることができるような変化は、より一層後押しされてきました。


そしてこの数年の一番の衝撃は、新型コロナウイルスによる外的要因によって、会社に出社しなくても働くことができるという選択肢を創る必要性が急速に発展したことでした。

 

“働き方”に関連する変化の渦中にいながら

2020年以降ArrowArrowの場を通して感じたことは、

個人の働き方が、組織の働き方を追い越してきたような感覚でした。

 


個人が求める働き方の選択肢はくっきりと見え始めている。

-ライフイベントを経ても柔軟に働き続けたい。

-会社にいくこと、自宅でやること、働く場所を個々の状況によって選びたい。

-何か不測の事態が起きたときに対応できるように働きたい。


それらを選ぼうとするとき、それらが叶えられる企業・組織を選択したいと思っても、今の会社だとできない。


…しかし、本当に、今の会社だとできないのでしょうか?

 

誰もが立ち止まり、「自分にとっての“働く”とは何か」を考える機会ともなっていた数年が経過した今、個人の働き方の選択肢を創り選びたい人の後押しは一層強めたいと思いましたし、その個人が今いる組織と手を結べるように動くことができるのではないかと感じています。

 

 

小さな組織。
そこでは多様な人が働くことは、できないのか?
働き方の選択肢をつくることは、できないのか?

 

小さな組織規模体でも、そこで働く人を大切にして、その人たちと共に模索とアップデートを繰り返している組織があります。個人の暮らしに関わることやライフイベントがあったとしても、そこから拡げて、組織が在り続けているような会社があります。

 

「リソースがないからできない」

「多様性をつくることは難しい」

「理想はわかるけど現実的にはできない」

 

それらの言葉にも、共感はします。できない理由はきっとたくさんあるだろうとも。

 

でも、やろうとして模索している個人と組織が、ひとりでも、一社でも、存在しているのであれば。その互いのアップデートの状況を学びあい、小さくてもトライをして、その変化を外側に伝えたいと思いました。小さな組織であっても働き方の選択肢を創る。この再始動の一歩目を、そのプロセスを、同じ想いがある人たちと共に歩めたらと思っています。


中小企業ワークスタイル研究会、アップデートします!