中小企業ワークスタイル研究会プレオープン講座「中小企業経営者に聞く!正直女性社員活用ってどうですか?!」実施報告

【執筆者:スタッフ 海野千尋】

 12月19日「中小企業ワークスタイル研究会」のプレオープン講座、「中小企業経営者に聞きたい!正直女性社員活用ってどうですか?!」が開催されました。

株式会社協進印刷代表取締役社長 江森さま、株式会社キクシマ代表取締役社長 菊嶋さま、株式会社神奈川ナブコ代表取締役社長 原さまにゲストでお越しいただき、また、ファシリーテーションには株式会社フェアリーランド代表取締役で社労士でもある菊地さまと共に、トークセッションとワークショップをおこないました。



トークセッションに入る前に、企業や個人における「働くこと」に関して現実と課題とにスポットをあてて、今後企業と個人の間に何が必要になってくるのか、双方にどんな視点が必要になってくるのかをお話させていただきました。
キーワードとして「中小企業ワークライフバランス経営」という言葉をかかげ、「仕事と生活の調和」を企業としては今後は経営戦略にあてるべき要素に変化していることを提案させていただきました。

そこから実際の経営者の方々が企業において女性をどう活用されているのか、課題は何かなどを掘り下げていく時間へ。


印刷物をお客様の問題解決のソリューションの一部と捉えて印刷事業を展開する株式会社協進印刷ではデザイナーの多くに女性がおり、中でも優秀な女性デザイナーが出産を経て戻ってきたあとに、仕事と育児の両立に悩み辞めていってしまったという過去があったと語った江森社長。
そのような状況を経て、試行錯誤する中で、両立ができるようにシェアオフィスなどを借りて子どもも預けられて働ける場所があるといいと今後の展望を述べられました。確かにそのような柔軟性があると、個人にとっても働きながら子育てを両立できるだけではなく、企業にとっても成果を出す女性を活かしながら働く活路となりそうです。




クライアントパートナーという新しい職種を作った菊嶋社長。建設業という男社会が根強い業界にある株式会社キクシマの中でも、現場は男性、内勤が女性という形が当然になっていたこともあったようですが、男性の業務の中でお客様と建築家とをつなぐコミュニケーション役の業務を切り出してそこを女性に任せる取り組みを開始したところ、適任な女性たちが活躍している現状につながっています。
今後は主婦層も増やしチーム制にしていくことでもっと発展できるのではないかと構想しているとのこと。本社ビル屋上で養蜂事業を展開し、事業・地域・社員・子どもがつながるような活動もされており、そこでも自分の能力を発揮してプロモーションを担当する女性が活躍しているようです。


「うちの会社が一番女性活用は進んでいないでしょうか。」と本音を表に出していただいた原社長。主に全国にある自動ドアやステンレス建材の販売、保守などをおこなっており、支店のほとんどは少数精鋭のため男性が主に現場、女性は内勤が主軸の構成とのこと。チームや組織に対して能動的な働き方をしている一人の女性社員を見て、社長が尋ねたところ「私がこの業務のことを詳しく知っていたらもっと迅速にお客様に対応できるから」と答えたそうです。それを聞いて女性も企業にとって高い貢献を目指して働いていることを知り、意識を変えるきっかけになったと明かしてくれました。
元々子どもを産み育てることにとても寛容である原社長(なんと4人のお子さんのお父さんです!)、子育て手当の制度を厚く設計していたようですが、トークセッションが進む中、女性の働く環境にも意識を向けていきたいとお伝えいただきました!



 
そして実際に育児と仕事を両立する女性であると同時に、同じ両立をする女性を雇用する側でもある菊地さんから見た視点を語っていただきました。菊地さんは4人のお子さんの母であり、現在5人目を妊娠されており!(会場全体で拍手をいただきました)専業主婦期間を経て、現在は社労士として企業と関わりながら認可外保育施設をつくりその代表を務めています。
ご自身もお持ちであった「子育てしながらでも働きたい」という女性の意思や、実際に働く女性において扶養に関しての意見の相違など様々な視点をお伝えいただきながらも「私のように仕事を100%、子育ても100%やりたい人がいたっていいじゃないかと思っています。そういう人が働ける環境を私自身も作っていきたい」とお話いただきました。


その後休憩を経てワークショップへ。



「女性社員を活用できない理由は何か」それを書き出し明文化してグルーピングしたあと、その課題を解決するために阻害している固定観念とは何かをディスカッションし合いました。
女性社員が活用できない理由の軸が「働き方」「組織」「社会」のそれぞれに理由があるなら、どう飛び越えていくか。言葉にして共有していくことでさらにそれぞれの思考が深まっていく中で、3つのグループそれぞれディスカッションが多いに盛り上がり、様々なキーワードが飛び交っていました。


最後に当法人代表堀江より、先進事例である数社をご紹介させていただき、
「これからのワーク・ライフ・バランス」とは「既存の制度・業務に留まらず固定観念をはずして企業ごとの新しい戦略をつくる」「企業・個人それぞれ今ある枠を飛び越えること」をつくっていくことだと提示し、この中小企業ワークスタイル研究会はそれを培っていくものにしていくという形で会を終了とさせていただきました。

中小企業ワークスタイル研究会は今後も「これからのワーク・ライフ・バランス」「中小企業ワーク・ライフ・バランス経営」を主軸に、「働くこと」を中心としたさまざまなテーマで多くの企業事例をお伝えしながら、それが次のアクションにつながるようにしていきたいと考えております。


今後は2/5に先進事例でもご紹介したサイボウズ株式会社の方をお呼びしてオープン講座を企画しております。
詳細につきましてはまた改めてご紹介させていただきます。


ご参加いただきました皆さん、ゲストである江森社長、菊嶋社長、原社長、そしてファシリテーター菊地さん、後援をいただきました横浜市経済局の皆様、場所をご提供いただきました横浜商工会議所様、本当にありがとうございました!!


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